岡山市消防操法訓練大会開催される
 消防団への理解と協力を


 平成30年4月7日、中区桑野の消防訓練センターで岡山市消防操法訓練大会が開催された。各地区大会を勝ち抜いた分団が自分たちの名誉と誇りをかけて競技に臨んだ。
 操法訓練とは、火災現場を意識した火点と呼ばれる標的にめがけて放水し、撤収するまでの一連の操作の正確さやタイムを競う競技である。
 地元・今分団は北地区大会において抜群の成績で優勝し、市大会での活躍が期待されたが、3位までが出場できる県大会まであと一歩の5位という結果に終わった。
 そもそも消防団員は、公務員である消防署の消防署員とは全く別の存在である。それぞれ職業を持つかたわら、災害時等に活動する特別職の地方公務員という立場だ。
 寒い時期、仕事を終えた後繰り返し練習に励んだ選手を始め、分団長以下、団員一丸となりサポートした団結力は地域の誇りであり宝だ。検討を称えたい。

 さて、東日本大震災の教訓を基に、平成25年12月「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が成立した。
 その中身は、今後の発生が懸念されるあらゆる災害・事故に対処し得る消防防災体制の整備をめざし、とりわけ消防団を地域防災力の中核として位置づけ、住民・各種団体が協力連携し、国・地方公共団体が必要な責務を果たすことを定めた画期的なものだ。消防団の一層の充実強化が図られることになったのである。
 現在、東海地震をはじめ東南海、南海地震や首都直下地震の発生などが懸念されるなかで、国民の安全を守ることはますます大きな課題になっている。地域防災の中核である消防団に対する期待は一層高まっている。
 ところが、消防団員数は、少子高齢化による若年層の減少、就業構造の変化、地域社会への帰属意識の希薄化等から減少が続いているのが実態だ。女性消防団員の募集や積極的な入団促進などの取り組みの成果から近年減少数は徐々に低下する傾向にあるが、楽観できるものではない。
 崇高な使命を担った消防団であるが、そうした誇りだけで活動の継続ができるものではない。具体的な支援、魅力ある取り組みを自治体が充実させていかなければならない。そして何よりも重要なのは、地域の理解と強力な支援なのである。




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