11月議会個人質問概要

 12月9日本会議最終日、個人質問に登壇させて頂いた。質問項目は次の5項目。
1岡山市都市ビジョン、2中心市街地防災計画、3アクション・スポーツパークの存続問題、4岡山市の入札制度、5校内暴力対策について、それぞれ市長・教育長並びに当局に対し、いくつかの提案を交えながら、質問させて頂いた。
 市民からの要望に応える質問を取り上げさせて頂いたこともあり、かつてなかった大勢の方々に傍聴に来て頂き、当局にはそれなりの緊張感がありました。
 そうしたことから、力を込め質したものの、残念ながら当局はまともな答弁を避け、満足な答弁を引き出すことはできませんでした。以下質問の概要を掲載します。
 引き続き、市民の代表という議員の立場から、皆様方のお気持ちを代弁し、当局を質して参る所存ですので、取り上げて欲しい課題がありましたら遠慮なくお知らせ下さい。
 わざわざ議場まで足をお運び頂きました皆様に感謝申し上げます。



岡山市都市ビジョン



 先般、市長が今後の都市づくりの指針としてまとめた「岡山市都市ビジョン」が示された。
 水と緑が魅せる心豊かな庭園都市の実現に向けて、西川・枝川緑道公園や後楽園、旭川などの貴重な資源を生かし水と緑豊かさを実感でき、世界に誇れる魅力ある都心を創造する。
 また、市民と協働して継続的に都市全体の緑化を推進するとともに、岡山の原風景をいかした魅力的な空間づくりを進め、水と緑にあふれた美しく風格ある都市づくりを進める、等々大きく期待が膨らむ言葉が踊っている。
 それ自体には何の異論もないが、その上で成果指標を見ると、西川・枝川緑道公園の利用者数を22年の720人から27年には750人にする。公園・緑地の整備や緑化推進の満足度を22年の36%から27年には40%にアップさせる。たったそれだけのことである。
 要するに、西川緑道公園のレベルを少し上げるだけであり、これが、水と緑が魅せる心豊かな庭園都市の実現目標かと思うとあまりにも寂しい。
 抽象的な言葉だけではなく、現場は何をどのようにするのかもっと具体的に書き込まなければ、市長の考えは伝わってこない。そこで少しご提案を交えながらお尋ねする。

1 例えば、河川を用いた新たな親水公園構想を加えるべきだと考える。国交省、県と協同で水辺空間の魅力アップを進めるべきではないか。
2 水辺の美しさをレベルアップさせるためにゴミを下流に流さない。自分たちの地域のゴミをそれぞれの地域が処理する施設を設けてはどうか。
3 「緑のボリュームアップ」はどこにどのような樹木を植栽しようとしているのか。

 仙台市のケヤキ並木は30年で完成したという。これが今や仙台の一つの象徴になっているのだ。決して始めから成長した樹木を植える必要はなく、苗木で十分なのだ。 例えば、市民を巻き込んで街路毎に樹木を決め計画的に植樹していってはどうか。






中心市街地防災計画



 阪神淡路大地震を思い出せば分かるが、同じ震度で同じように被災しても人口の集中していない地区に比べ、人口集中地区の被害は甚大である。従って、中心市街地の防災計画が特に重要である。
 本市における防災対策にはこの視点が欠落しているように思えてならない。一次避難地が根本的に必要なのは街中である。特に昼間は住民に加え、通勤者、買い物客等の安全が確保できていなければとんでもなく被害を大きくしてしまう。
 しかし、公共防災空地の確保については、人口集中地区に新たに空地を求めることは無理とのことで、都市公園や道路等の公共施設を活用するとともに、国・県の施設や民間の空地、駐車場などについても協定を結び、一次避難地の拡大に努めて参りたいとの答弁だった。

1 民間の空地、駐車場など避難地に指定しても、民間の都合が優先するのではないのか。目的が担保できる制度になっているのか。
2 旧深柢小学校跡地は一次避難地として最適な位置にある。民間の空地に頼る前に、この場所を拠点に地域防災計画を作るべきだと思うが。
3 この場所への病院誘致運動が行われているが、総合病院は避難地になり得るのか。
4 災害時の応急給水場所が先般水道局から示された。中心市街地が極端に不足しているように思う。タンクローリー車が駐車し、給水する場所なら容易に確保はできるはず。人口バランスに配慮すべきではなかったのか。場所の選定基準は何か。






アスポの存続問題


 先の議会で、市長から「アクション・スポーツパークがうまく行っていないので再契約しない」また、「全ての責任はエックス・スポーツ社にあり、再契約しないことは契約上当然のことである」旨の発言があった。
 しかし、そんな一方的なことは通らないのではと心配している。十分な話し合いの上くれぐれも訴訟にならないよう解決して頂きたい。
 そもそも、アクション・スポーツパークの当初計画、特に入場者数の予測があまりにもずさんであったことは否めない。それにもかかわらず、「大丈夫だ。何も心配ない」と答弁し続け、この事業を始めたのはまぎれもなく市当局である。
 簡単に「計画通りの入場者がなかった。エックス・スポーツ社も赤字経営で苦しく、とても会社の建て直しは無理なようなので、再契約を行わない」と、全ての責任をエックス・スポーツ社に押し付け、閉鎖できるとは思えない。

1 うまく行っていないのは、全てエックス・スポーツ社の責任であり、エックス・スポーツ社が経営努力すれば解決できると考えているのか。
2 行政が鳴り物入りで始めた事業を廃止するには、当然に見通しの誤り、計画のずさんさに対する当局の責任は免れない。誰にどのような責任があり、その責任をどのように取るのか。
3 最大の被害者は市の掲げた施策に添って、アクションスポーツに本気で取り組んだ利用者である。そして、懸命に努力し、世界で活躍できるまでに育った選手達ではないか。
 入場者数は計画通りではなかったが、この部分ではまさに当局が意図したようになった。 だとすれば、この一流に育った選手達に対する手当て、責務は運営会社にあるのではなく、市にあるのではないのか。
4 市長は、アクションスポーツがお好きではないようだが、そもそもスポーツはお金の掛かるものである。
 ファジアーノのようなプロスポーツであれ、アマチュアスポーツであれ同じ事だ。体育施設で採算の取れるものはほとんどないと言っていい。 サッカー場、野球場、体育館、プールでも無理なのだ。
 また、オリンピック種目で活躍する選手を支えるのも大変高額な負担を伴う。例えば、フィギュア・スケートの高橋選手の練習場は倉敷市が支えているようだ。
 市民がオリンピックで高橋選手の活躍で盛り上がり、メダル獲得で勇気づけられれば、ある程度の負担を惜しむ声は無いだろう。こうした負担をどのように判断するかは難しい所だ。
 存続を求める会は4万人以上の署名を集めたと聞く。この署名の数を当局はどのように受け止めておられるのか。
5 世界選手権で優勝するということはどんな競技であれ素晴らしいことで、大いに賞賛されるべきだ。
こうした素晴らしい偉業を市長が激励、或いはお祝いする制度もあると聞く。しかし、市長は、未だに彼らに激励もお祝いもされていないと聞くが、どうしてなのか。






岡山市の入札制度



 深刻な経済状況が続く中、岡山市内の業者が厳しい経営を強いられている。こうした中、本市の測量・委託作業の契約が市外業者に多数流れ、地元業者が苦しんでいる状況があると聞く。
例えば、倉敷市は市内業者優先の入札制度を運用している。一方、岡山市の場合、他市の業者を受け入れやすい制度になっているため、市内業者が苦しんでいるのだ。
 こうしたアンバランスな制度では、他市の業者はどんどん受注するが、他市への入札では受注はおろか参入さえできないのである。
 いわば、岡山市に同等の能力を備える業者がいるにもかかわらず、あえて岡山市の税金を他都市に持っていくようなものだ。本来、行政には地元業者を育てていく責務があると思うがいかがお考えか。






校内暴力対策



 今日、学校における不登校・いじめ、そして生徒間の暴力事件や、教員に対する生徒による暴力行為、学校内の器物破損など、もはや放置することは許されない限界まできている。
 なかでも、暴力行為が急増している。特に対教師暴力の急増が目立っていることは看過できない大きな問題である。
 政令市として教育権限を拡大した今、学校内での暴力は許さないという教育委員会の姿勢を市民と共有し、断固たる決意を示さなければと思う。
 問題の生徒を抱える学校では、対応の難しい一人の生徒に4、5人の教師が何時間も振り回されているのが現状ではないだろうか。こうした生徒達の中には、既に暴力団予備軍として、彼らと繋がりをもち、教師が対応できる範囲を超えているケースもあると聞く。
 彼らにきちんと対応できるのは、暴力団を取り締まる経験のある警察官をおいて他にない。しかし、現職警官というわけにはいかないので、退職された経験豊富な警察官を嘱託職員として学校現場に配置し、対応することが有効ではないかと考える。
 教育に関心があり、生徒達に自らの経験を話し、諭せる有能な人材を得ることが成功の鍵になると思う。市長、教育委員会委員長、教育長それぞれのご所見を伺いたい。






                                            市政報告第24号@へ
 
inserted by FC2 system