6月議会個人質問概要

 改選後初の6月定例議会は、新人15人が全員登壇するということで、明らかに新しい雰囲気を感じさせるものでした。それぞれが選挙戦で訴えたことをそのまま議場に持ち込んだような力強い質問でした。改めて、私自身初当選直後の議会で、緊張しながら初質問をさせて頂いた時のことを思い出し、「初心を忘れず頑張らなければ」と決意を新たにさせて頂きました。
 「新風会」団長という立場があり、個人質問に立たないつもりでしたが、どうしても当局に質しておきたいことがあり、あえて登壇し、以下の質問をさせていただきました。わざわざ議場まで足をお運び頂きました皆様にはありがとうございました。



教科書採択について



 来年度使用の、中学校の教科書の選定作業が始まった。多くの国民が知らない中で自虐史観に満ちた教科書が採択されている。今まで、どんな教科書が採択されているのか我々はあまり関心を示してこなかったが、我が国の将来を託す子供たちに、どのような教科書でどのような教育をするのかを決めるのは極めて大切なことである。
 ところが、先の我が会派の代表質問に対し、市長は「子供たちにとって良い教科書が選べるように・・」という答弁をされたが、我が国の将来を担う立派な大人になるための教育をするにふさわしい教科書を選ばなければならないのではないか。
 先般、大阪府の橋下徹知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」の大阪市議団は、愛国心や公共心の育成が盛り込まれた改正教育基本法と、新学習指導要領に沿って中学校教科書を採択するよう求める要望書を、市教委に提出するとの報道があった。
 「新学習指導要領に基づく検定に合格した教科書にも、依然として一部自虐的な内容がみられる」と指摘した上で、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーらが執筆した自由社の教科書や、「日本教育再生機構」のメンバーらが執筆した育鵬社の教科書を、「最も改正教育基本法の趣旨に沿った内容である」とコメントしている。素直に読めば誰でもそのように判断するはずである。一人でも多くの市民が関心を持ち、目を通し、納得のいく教科書選びがされなければならない。


1 市内の教科書の採択はどのように決定されるのか。
2 教科書採択について現場の教員からの感想・意見なども参考にしているのか。具体的にはどんな方法か。
3 現在、市内の中学校で使用されている地理、歴史、公民の教科書はいずれも東京書籍のものである。この社のものは、教科書検定になぜ通ったのか、と言われるほど問題のある教科書との指摘がある。一例として、我が国の伝統と文化、宗教に関し、要綱に沿ったものとは程遠いと言われている。本当に国民多数の思いに沿った教科書になっていると思うのか。
4 6月から7月にかけて一定期間、教科書の展示会を行うことになっている。しかし市のホームページにはその情報が全くない。改めて、展示会の概要をご説明頂きたい。






旧深柢小学校の跡地活用について



 本議会冒頭での所信表明で市長は、「去る3月11日に発生した東日本大震災を踏まえ、被害想定を見直した上で、大規模な震災にも対応できる防災体制の整備に努めて参りたい」旨の考えを示され、地域防災計画の改訂を進めることを明らかにされた。まさに時期を得た対応であり、しっかりとした計画が作られ、多くの市民の安全や安心が確保されることを期待している。
 しかし、市長は旧深柢小学校の跡地については、昨年12月に市議会において川崎病院誘致の陳情が採択されたことを理由に学校法人川崎学園を対象者として具体的な協議を進めていくこととされた。
 言うまでもなく、この陳情の採択は東日本大震災以前のものであった。さらには、改選前の市議会議員の判断であったことを考えれば、全てが見直し対象になるのは当然である。
 しかも、当該地区住民は、かねてから連合町内会を中心に安全・安心なまちづくりや地域コミュニティの面から、中核施設となる小学校の復活を強く望んでいる。 そして現在、学童の増加傾向が続いているのであるから小学校の復活時の用地として、また、防災上の観点から避難所として確保しておくことを念頭に、「民間に売らない、貸さないで欲しい」旨の真摯な陳情が繰り返し行われている。
 これらの経緯を考え合わせれば、少なくともここで見直す地域防災計画策定後に判断すべきなのではないか。


1 岡山市の素案は、初めから川崎病院に貸すことを前提にしたもののように感じられる。素案作成に着手した要因はそもそも何だったのか。 岡山市が「借りて欲しい」と言って始まったのか。川崎病院が「貸して欲しい」と言って始まったのか。その経緯を改めてご説明されたい。
2 どちらから出た話であっても、事業用地の話である。売買、賃貸に関わらず、その金額は事業の成否に関わる重要なことだ。金額の話を最後まで明らかにしないということは話の順序が違う。なぜこのような手順となるのか。
3 事業の根幹をなす重要な条件を先に提示しないで、細々としたことを先に詰めると、最後になって合意できないことが起こりうる。そうなれば、相手側に大変な迷惑、損害さえ与えかねないのではないか。
4 川崎病院を移転新築する場合の新病院の規模について、地上15階、地下2階、病床数は約600床とのことだが、建物の概略図面も土地の利用計画さえも明らかにされていない。
 更には、川崎病院移転後の跡地をどうするのかも明らかにしていない。何をもって我々は、この計画の適否を判断すればいいのか。正々堂々と、跡地活用方針案の中にこうした判断できる材料を示し、パブリックコメントや説明会をすべきではなかったのか。
5 そもそも、中心部の5つの小学校を1つにしたことに無理があったのではないか。
 所謂、都心回帰現象が起き、中央小学校の教室も運動場も極端に不足する状況になっている。企画局は、岡山市の都心への回帰をどのように捉えているのか。人口増こそが都心のにぎわい創出になるのではないのか。小学校が不足すればこれ以上都心回帰は果たせない。矛盾に満ちた計画を進めようとしていると思うが。
6 教育長は、人口減の時代であり、この地域に小学校を復活させなければならないことは将来にわたり起こらない、との見通しのようである。本当に言い切れるのか。10年、20年後の岡山市の歴史に対し責任が取れるのか。数年後にやめてしまえば後は知らないという無責任な発言とは思わないが、改めて、この場で、議事録に残るように発言して頂きたい。
7 この度の震災により、防災計画を改定することになるのであれば、計画の見直しがなされた後に、川崎学園に貸すことを判断するのが筋ではないのか。少しも慌てる必要はない。一旦立ち止まり判断すべきものと思う。改めて市長の御所見をお聞かせ頂きたい。






アクションスポーツパーク


 去る6月18、19日にASPO最後の大会が開催された。私も参加させていただいたが、怪しい空模様にもかかわらず、多くの人で賑っていた。県外からの有力選手も数多く参加されていた。遠くは沖縄、あるいは東京からの選手もおられたようであった。彼らの間では、まさにこの場所は、日本の聖地と位置づけられている。
 「こんな素晴らしい日本有数の施設がなくなるのは悲しいことで、残念で仕方がない、何とかならないのか」との声が数多く聞かれた。
 更に、「この施設が存続するのであれば岡山に住みたいと思っていた」という日本一のBMXの選手の話も聞くことができた。にぎわいのまちづくりを進めようとする岡山市にとって、もったいないことなのではないかと思えて仕方がない。
 同時に、なぜ岡山を代表し、更には、日本を代表し世界で活躍する彼らの練習場をなくさなければならないのか。なぜ、彼らが突然犠牲者になってしまわなければならないのか。彼らには何の罪もないのではないかという素朴な疑問がぬぐい切れない。
 市民ネットを代表しての羽場議員の質問に対する答弁で、市が主体となり他の場所へ同様の施設は考えていないが、別の運営組織が別の場所で行う具体的な提案があれば検討する旨の答弁があったが、改めてASPO設立の目的や意義は問われなければならない。


1 岡山市がこの施設を設置した目的は何だったのか。プロポーザルといえ事業の主体は市ではないのか。
2 運営会社であるエックス・スポーツ社は、市の指導を無視したゆえに、赤字の累積体質から抜け出せなかったと、]社に責任の全てを被せ撤退の方針なのか。
3 市長が変わろうとも、行政の継続性は担保されなければならない。そうでなければ行政に対する信頼が揺らぐ。  したがって、撤退するのであれば、関係者に対しもっと丁寧に説明をすべきものと思う。特に利用者に対し、乱暴すぎるのではないか。
4 少なくとも当面、彼らの練習場の確保だけはしなければならない。その責任を十分に果たしていただきたい。 利用者からの利用計画の提案は今後どのように協議を進めるのか。 
5 この施設を利用している、精神的にも肉体的にも健全で質の高い、岡山市として誇れる善良な若者がいる。 ここで仲間とともに熱心に練習を重ね、世界で戦える技を磨いてきた。この選手たちの活躍に対する市長のご所見を改めて伺う。 
6 最後に、閉園後はどうするのか。未利用のまま何年も放置することになるのか。 せっかくの一等地である。雑草などが生え、見苦しい姿をさらけ出すことのないよう願っているが、どのようなお考えか。








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