任期後半に向けて

 季節の移り変わりが激しく、また早く感じられるようになりました。
 ほんの少し前、春爛漫を象徴させる桜の満開の中で新年度が始まりました。真新しい制服に身を包み、大きめのランドセルでぴかぴかの一年生が元気に登校している姿に新年度を迎えた慶びに浸っていたら、季節は早初夏です。暑かったり寒かったりと、体温調節も中々大変ですが、皆様方にはご健勝にてお過ごしのこととお喜び申し上げます。
 さて、岡山市議会は、先般5月臨時市議会を開催し、議長以下後半の2年間を運営する議会体制を整えたところです。詳細は別の覧に書かせて頂いておりますが、公明党・則武議長再選が比較的早くスムースに決定しました。
 私は、要の委員会と言われている総務委員会の委員長という要職を務めさせて頂くことになりました。岡山市政の前進の為、今後とも一層の努力・精進をさせて頂きますので、格段のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 また、今後、参議員選挙、市長選挙と選挙が立て込んでおり、重要な判断が求められます。中でも気になるのは市長選です。現職の谷氏は未だに進退を明らかにされてはおりませんが、内心は後継者を決めており、6月定例議会の中で引退を表明するのではないかとの噂もあります。
 引退表明があれば、これを機に立候補予定者が本格的に動くことになりますが、いずれにしても、告示まで僅か四ヶ月足らずです。
 ここまで引っ張るべきではなかったのです。なぜなら、市長選の日程が9月22日告示、10月6日投票と決まりましたが、この日程は立候補予定者が活動する上で極めて厳しいスケジュールなのです。つまり、この間に6月定例議会、参議院選挙、9月定例議会と続き、それが終わると同時に市長選の告示となります。 積極的に活動すべき立場にある市議会議員が動けるのは8月の間だけということになりますが、お盆の期間は選挙に関することは避けるしきたりですので、本当に活動する隙間のない異例の事態になっているのです。
 こんな中で勝てる候補者は、大きな政党組織に支えられた者、あるいは知名度の高い者に限られます。つまり、中央主導の候補者が圧倒的に有利な立場になるのです。これでは、岡山の地元に密着した選挙になりませんし、岡山の未来を語る政策論議も盛り上がりません。できれば多様な選択肢があり、それぞれがお互いに競い合う選挙戦になるべきなのです。
 そうしたことで、市民ひとり一人が岡山市の課題や問題に真剣に向き合う論議を高めていくことに繋がるからです。
 活動しにくい日程ではありますが、市議会議員として地元主導で相応しい市長選びに大きく拘わって参る所存です。重要なのは、「岡山愛」に溢れると同時に、公正で公平な姿勢があるかどうかなのです。



議長選は四派連合結束維持 〜和気健は総務委員長に就任


 岡山市議会5月臨時議会が16、17日の2日間の日程で開催された。平成23年4月に行われた市議会議員選挙後2年が経過し、折り返しを迎え全ての役職をリセットし、後半の2年間に備えるためのものだ。中でも重要なのが正副の議長選挙だ。
 今回の議長選は、簡単に言えば2年前にできた「新風会」、「公明」、「市民ネット」、「明政クラブ」の4会派の枠組みが維持できるか、最大会派である「自民党・無所属の会」の巻き返しがなるかが焦点であると言われていた。


  2年前の経緯

 そもそも2年前4派の連携が形成された経緯をたどれば、最大会派の「自民党・無所属の会」(当時政隆会)が数の力を背景に強引な議会人事や横暴な議会運営をする懸念からだった。
 例えば、かつては正副議長選は激しく争うものの、その他のポスト配分については会派の人数、当選回数、年齢等考慮してバランスを保っていた。勝った側が全てのポストを独占するようなやり方はしなかった。しかし彼らは「負けた側には役職を与えない」とする考えを持ち込んだのだ。
 こうしたやり方が果たして、市民代表である議員からなる議会として相応しいのか、民主的な議会運営を行うことが民主主義の基本ではないのかとの思いを共有し、細かな政策や理念の違いを乗り越えて4派が結集したのだった。


  状況の変化

 しかし、4派そのものも、2年前の状況とは大きく変化した。即ち、政権が民主から自・公政権になったこと、有力な議長候補であったベテラン議員が亡くなったことの二つの大きな要因が重なり、新たな調整が必要となったが、あくまでも、4派の枠組みは堅持する事を確認し、話し合いで決着させることにした。
 一方、巻き返しを図ろうとする旧「政隆会」は前回の議長選に敗れた後、自民党を名乗り、党の看板を盾に、更に4派連合を批判し続け、保守会派である我々新風会を様々な機会を捉え繰り返し攻撃した。
 更に、選挙直前には数の拡大を目論み、我々の仲間にまで手を突っ込み、引き抜きを諮ったのであった。こうした何でもありの動きは、逆に、4派連合の警戒感を強めることになった。


  4派の調整

 こうした中、4派は繰り返し調整の会議を行うが、それぞれ様々な事情を内に抱え簡単に妥協することはできない。深夜にまで話し合いがもつれこむような、更には4派決裂の危機に至る状況もなかったわけではない。最終的には、断腸の思いで新風会からの議長選出を断念し決着を図った。
 結果、議長に公明党の則武宣弘氏、副議長には市民ネットの羽場頼三郎氏となる。いずれかが譲らなければ収まらない、また譲った側には特別の配慮をすることになる。新風会は、ベテランから新人まで全員が役職を頂くことになった。因みに私自身は総務委員会委員長という要職を拝命することになった。
 今回の議長選は、4派の勝利に終わったが、決して後味のいいものではないし、いつまでもこのようなことを続けて行くことが市民にとっていいことだとは思わない。
 大多数を占める保守勢力がしっかりと連携すべきなのである。岡山市政が特に大切な時期にあるだけに、議会人事を巡る不毛な争いなど早く断ち切り、良識ある議会を目指さなければならない。


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