2月定例会の個人質問から
 造山古墳群に磨きを!
    岡山最大の歴史遺産は吉備路



日本有数の古墳

 岡山市は古代に吉備と言われた地域の中心部に位置している。そうしたことから多くの文化財が残されており、とくに古墳の密集度はずば抜けて多い。
 このことは古代吉備に大きな権力者がいたことを表すとともに、豊かな文化を形成していたということである。そのころの状況がどのようなものだったのか想像すれば、自ずとロマンが膨らむ。
 例えば、造山古墳は、古墳時代中期の巨大前方後円墳として余りにも有名で、教科書にも登場する。墳丘の長さが約350メートルで、全国では4番目の規模を誇る。墳丘に自由に立ち入りできる古墳としては日本最大のものであり、大正十年に陪塚とされる中小古墳6基とともに国の史跡に指定されている。
 その後、今日まで90年以上の年月を経るが、僅かながらの文化財調査や観光施設としての駐車場の整備などを除けば、最近まで行政はほとんど何もしてこなかった。
 地元の有志や、一部の歴史フアンによって支えられてきたのが実態である。日本を代表する遺跡ながら、岡山市民の間にさえ訪れる人が余りいないのが実態だ。
 ちなみに、全国では大仙陵古墳・仁徳天皇陵(約486メートル)、誉田御廟山古墳・応神天皇陵(約420メートル)、上石津ミサンザイ古墳・履中天皇陵(約360メートル)につぐ4番目の規模である。


立ち入り可能な造山古墳

 天皇陵に指定されている上位3大古墳を始め近畿地方の巨大古墳が宮内庁により、国民はもちろん学者・専門家も内部への立ち入りを禁止されていることからも、立ち入り可能な造山古墳は貴重なものと言える。
 しかしながら、これだけの史跡であるにも拘わらず、残念ながら、本市の資源としてうまく生かされていない。実にもったいないと言わざるを得ない。
 周囲には榊山古墳や千足装飾古墳など6基の陪塚があるが、この貴重な遺跡の本格的な学術調査が始まったのもつい最近のことで、将来構想に沿って行われているわけでもない。何とかこれに磨きをかけ売り出す長期的計画を立てるべきなのだ。
 このことを、2月定例議会の個人質問で取り上げさせていただいた。翌日の山陽新聞の全県版に取り上げられたので目にした方もおられたかと思う。
 そもそも、市長は今議会の所信表明で「都市の歴史、文化こそが、その都市の個性、魅力であり、これらを磨き、発信していくことが、都市に活力と賑わいをもたらし、地域への愛着と誇りを涵養する重要な要素である」と明言され、文化財の保存・活用に努めるとともに、市民にとっては「岡山の誇り」として、また、訪れる方にとっては「岡山の魅力」として発信していくとの決意を述べられた。


?吉備路村?の建設にむけて

 したがって、造山古墳を中心に吉備路の回遊性の向上にも取り組む必要がある。吉備津神社、吉備津彦神社、最上稲荷、鬼ノ城、備中国分寺、楯築遺跡など魅力ある文化財が集中している。これらは奈良の明日香村のそれに匹敵すると言ってもいい。国指定の史跡らしく、早急な発掘調査計画を示し、隣接する総社、倉敷市との連携で?吉備路村?を実現させたい。
 造山に比べ規模などではるかに小さな古墳が文化庁、或いは国土交通省等の支援により整備され、市民の憩いの場とともに観光資源になっている例がある。この場所も自由に楽しめる史跡公園、古墳公園に整備できるのではないか。この質問に大森市長は、古代史ファンであることを明らかにされ、吉備路の魅力アップに積極的に取り組んでいく姿勢を示されたので、今後の取り組みを注視したい。



市内最大の渋滞箇所
  望まれる白石橋の拡幅
        実施に向けて調査開始



 県道岡山・倉敷線、白石橋付近西行は朝夕の通勤時間帯には県内有数の交通渋滞箇所となっている。
 この路線は、かつては国道2号線で主要幹線道路であった。新国道ができた今も県南の岡山、倉敷市という二大都市を結ぶ幹線道路であり、その重要性は変わらない。
 また、両都市を結ぶこの地域の発展は著しく、商業施設のみならず、住宅地としても開発が活発である。
 当然ながら、通過交通の通勤者のみならず、当該地域の住民にとっても朝夕の通勤ラッシュ時に於ける交通渋滞解消は喫緊の課題である。
 こうした状況を解消するには、県道妹尾・御津線久米交差点、白石橋間の拡幅を早急に実現する他はない。当該箇所は事業区間は短いが、事業効果の高い極めて有意義な事業なのだ。
 県道岡山・倉敷線と県道妹尾・御津線の交差点が久米交差点であり、この交差点で合流する交通量が急激に増え、西行きに渋滞を引き起こしている。白石橋以東は区画整理事業の実施により広幅員道路として既に計画通り完成しているので、この区間が拡幅されるならば大幅な交通量の処理が望める。
 また、この区間の建築物はあらかじめ拡幅計画に沿って建築しており、支障となる家屋も少なく、むしろ事業着手を待っているのだ。
 今やらなければ、白石橋の拡幅は永遠にできなくなるのではないかとの危機感が地元にはある。早急に着手すべきではないかと、先の二月議会の質問で強く訴えさせて頂いた。
 答弁は、問題意識は持っているので、関係機関との協議を進めたいとのことであった。その後、早速に平成26年度予算に調査費一千万円が計上されることになった。
 今後、図面を数案作成し、河川協議等をすることになるが、いずれにしても難航が予想される。




安全安心の地域づくりの要
        消防団は地域の誇り



 岡山市消防団北地区の繰法訓練大会が3月16日桑野消防訓練センターで行われた。地元の今分団は小型ポンプの部に出場し、例年好成績を収めているが、優勝こそ逃すものの期待に応え見事2位となり、今年も市大会への出場を果たした。
 繰法訓練は消防技術の基本を身につける大変重要なものであり、その技術を競うのがこの大会である。
 どの分団も、この大会に備え、仕事を終えた後、照明を頼りに寒い中ひたすら練習に励む、また周りで支える団員も一生懸命だ。
 本番が近づくにつれ、徐々に緊張感が高まりつつある様子が周りで 見ているこちらにも伝わる。分団の名誉を賭けた総合力の熱い戦いが繰り広げられるのだ。
 開会式では、「人の役に立ちたい。愛する岡山のため、日本のため頑張ります」と力強い選手宣誓があった。こみ上げるような感動を覚える見事な宣誓であった。
 権利ばかりが強調される時代にあって、消防団員は、本業を持ちながら、「自分達の町は自分達で守る」という崇高な精神に基づき、地域の安全・安心を守るために活躍している究極のボランティアである。  その消防団が全国的に深刻な事態に陥りつつある。即ち団員が集まらず定員割れが起きているのである。
 サラリーマン化が進み、常時地元で働ける環境が失われているからだ。個人経営の商売が成り立たない、専業農家では食べていけないといったことが根底にある。だが、近年災害の発生が頻繁に起き、それに伴い消防団の役割は増大している。
 その存在と活動を広く知らせ、理解を求める広報を積極的に行う必要がある。そして何よりも、必要なのは地域での強力な支援なのである。
       



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