期待される救急医療と保健・医療・福祉の連携
  新 市民病院 平成27年5月7日開院

 

  岡山市民病院が「岡山市立総合医療センター」として北長瀬駅前に新たにオープンする。外観工事はほぼ終わり、内部の設備などの工事に追われているようだが、予定通り平成27年5月7日に開院となる見込みだ。新病院は、人もお金も自由に動かせる地方独立行政法人として生まれ変わり、効率的な経営を目指す。
 この病院の狙いを一言で言うと、救急医療(岡山ER)と保健・医療・福祉の連携を大きく前進させるというものだ。「岡山ER」とは救急医療を充実させ、24時間365日、すべての救急患者を受け入れ、初期診療を行うという画期的な取り組みである。
 その他、産婦人科では自然分娩を中心とし、快適な産婦人科を目指している。その為、産婦人科医や経験豊かな助産師、救急医や麻酔科医まで総合病院ならではの医療体制で安心・安全をサポートするというもの。
 また、専門的なチーム医療を提供するため、専門医療のセンター化、すなわち、臓器別、疾患別の組織体制で臨む。つまり、▽血液・腫瘍センター、▽脳疾患センター、▽消化器疾患センター、▽リハビリテーションセンターというように、内科と外科が一体になり患者に対応する組織に衣替えする。
 最も期待されるのは、窓口がばらばらで、複雑で分かりにくい、予防、医療、介護の総ての相談や情報提供がワンストップで受けられるようになることだ。入退院センターと岡山市の地域ケア推進センターを病院内に設置し、保健・医療・福祉がスムースに連携できるようにするこの取り組みは、市民サービスの飛躍的な向上に資するだろう。
 また、開院とともに今後、北長瀬駅前が大きく変わることになる。保健・医療・福祉の総合窓口ができるとすれば、それに呼応し、民間の様々な関連施設が必要となる。駅前の市有地にそうした施設が集積した計画の提案を求めるプロポーザル事業も始まる。
 さらには、このことが呼び水となり、北長瀬駅前一帯が最先端の医療・福祉の集積する日本有数の場所に生まれ変わる可能性が芽生える。こうした動きが、地域の発展や地域福祉向上、更には市民の安全・安心の貢献に旨く繋げられるよう見守りたい。


          

御南地域の大きな課題
  今小学校跡地と白石幼稚園跡地の有効利用

 

 御南地域の大きな課題は、今小学校跡地と白石幼稚園跡地の有効利用だろう。
 いずれも地域における貴重な土地だが、将来にわたり住民福祉向上に資する利用を考えなければならない時期にきている。地域での議論を始めるべきであろう。

  今小学校跡地

 今小学校跡地は現在、主に北区維持管理センターとして利用されている。今幼稚園が南にあり、その東には西コミュニティハウスがある。いずれも窮屈である。
 一方、維持管理センターはというと、贅沢なほど広々とした空間で、閑散としているように感じられる。住宅地として価値の高い場所であり、適切な土地利用とは言えないだろう。
 西小学校が息苦しいほど手狭であり、放課後児童の環境も厳しい。待機児童の解消も喫緊の課題である。これらのことを勘案すれば、この場所を子育ての視点から有効に利用することが相応しいと思われる。
 また、「認定こども園」という新しい制度ができ、幼稚園は遅かれ早かれ「認定こども園」への移行を余儀なくされる。今幼稚園がたちまち対象ということではないが、いずれそうした時期がくる。どのような「認定こども園」が良いのか等を含め、総合的な検討をすべきだろう。

  白石幼稚園跡地

 白石幼稚園跡地は、当時の建物がそのまま残っている。これを連合町内会が市から借りて、「ベターライフ御南」という組織を作り管理・運営している。
 土曜日を中心に、地域の子供達に昔遊びを教えたり、昔ながらの食べ物を一緒に作るなど、地元の高齢者が中心となり熱心な活動を続けている。
 特に、「ふなゆうさん」と呼ばれる昔からの船遊びは子供達に好評で、御南小学校の授業にも取り入れられている。そして、その取り組みはESD活動として取り上げられ高い評価を受けている。
 しかし、当初から、あくまでも利用計画が決まるまでの暫定利用である。建物も古くなり修理費もかさむなか、当面は継続できたとしても、これから先、持続的に管理・運営することは難しい。地元として、どんな利用が地域にとって相応しいのかじっくりと考える時期にきている。

  西部地域の図書館

 平成6年に策定された岡山市立図書館整備実施計画のその後について、今一度整理しておきたい。
 当初計画が平成14年に改訂されたものの、その内容はほとんど変わっていない。「平成9年度〜14年度を前期計画とし、西部地域及び東部地域の地区図書館を建設する。また、建設順位・建設位置については、用地の確保等建設推進に必要な諸条件が整ったところから」というもの。
 そして、西部地域の適地についてだが、「吉備中学校区及び御南中学校区のエリアで、陵南・吉備・御南の3つの小学校区の境界付近で県道岡山倉敷線に近い位置が相応しい」とかなり絞った書き方をしている。これらのことを考えると、白石幼稚園跡地は有力な候補地になり得る。




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