持続可能なまちづくりを目指し地方創生施策を推進します


 2月議会は新年度予算案などを始めとして重要な案件を審議する議会ですが、我々議員にとって任期最後の議会であります。終われば一気に後援会活動が熱を帯びます。
 市民の代表であるという立場から今回も個人質問に立ち、数点の質問を通じ「和気たけし」の所信の一端をお伝えできればと思います。特に、地方創生施策は地方の生き残りを賭けた重要施策です。力を込めて持論を述べさせて頂きました。
 残された期間は残り僅かとなりました。最後まで全力を尽くしますので、ご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。



 地方創生は人口増政策

 安倍首相は2月12日の衆参両本会議で施政方針演説を行い、地方創生について力強く前に進める意欲を述べられた。
 地方に就職する学生には奨学金を免除する。また、本社などの機能を地方に移し、雇用を拡大する企業を税制により支援する。そして、農地転用などの権限を県に委譲する。更に、国家戦略特区制度を前進させ、規制改革を進める「地方創生特区」を設けるというものだ。
 これを受け、各自治体は地方創生施策に真摯に取り組むことになる。本市においても「まち・ひと・しごと創生本部」が設置されたが、今後の本気度が試されることになる。議会としてもしっかりと応援しなければならない。
 さて、総務省が先般発表した2014年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、依然として、東京圏で転入超過が目立ち、東京一極集中が更に加速している実態が明らかになった。こうした状況を鑑みれば地方創生は待ったなしなのだ。
 岡山県においては、前年に比べ2年連続の転出超過だが、前年に比べると転出が半減している。これは、沖縄県に次いで少ない。また、県内では岡山市の転入超過が目立って高い数字となっている。
 これは一言で言うと、東日本大震災以降、岡山の災害の少なさ、温暖な気候、交通の要衝地であることが評価されていることの現れで、比較的簡単に人口増に転じるポテンシャルを秘めているということだろう。速やかに、有効な施策を前に進め、地方創生の優等生になるべきだ。


 企業誘致が鍵

 柱となるべき施策の一つは、企業を誘致して雇用を増やすことだ。働く場所がなければ人は職を求め都会に出て行かざるを得ない。地方創生は企業誘致が鍵なのだ。
 企業においても、災害が少なく温暖な気候、加えて交通の要衝などという条件は、魅力的な土地柄のはずだが、本市における企業の進出は芳しくない。
 27年度予算案では、本社機能等の移転促進事業として誘致活動費を計上し、積極的に取り組んでいく姿勢を示している。今まで企業誘致が旨くいっていないのは何故だったのか。その原因を分析し、しっかりとした戦略で臨むべきだ。
 各自治体は、人口減少対策「地方創生総合戦略」を策定することになる。否が応でも企業誘致合戦となるだろうがなんとしても勝ち抜かなければならない。
 本市においては、総合計画の見直しの時期と重なることになっており、市民とともに地域の将来構想を練ることを通じ、本来必要な財源や権限、撤廃すべき規制を国に要請していくことが重要になる。


 教育環境の整備

 二つめは、教育環境の整備である。子供に良い教育を受けさせてやりたい。そうした環境を求める父兄の思いは根強い。特に高所得者層にそうした傾向が見られる。本県の学力が全国の下位グループにあるという評価は足かせとなる。早急に改善しなければならない課題だ。
 また、人口増にある地域の学校の超過密状況を放置することは許されない。解消に向けて真摯な取り組みが求められる。
 一方、過疎の小規模校では競争力が育たないと言われ、父兄は不安を感じ通学区域の弾力化を利用して転出する。そのことから更に小規模化が進み過疎化を加速させるという悪循環を生んでいる。その結果、学校の統廃合を進めるという手法は明らかに地方創生に逆行するものだ。
 法改正により、教育会議を置くことができることになった。市長は教育委員会任せではなく、地方創生の観点から学力向上と、学校の適正配置にも深く関わりを持ち、適切に取り組むべきだ。


 農地法の壁

 現行の農業政策は農地を守ることばかりに力点が置かれている。農業で生活できれば、故郷から都会へ出て行く者は減るだろう。有効な農業施策がないことが、過疎化の原因なのだが、このことにはあまり触れられていない。
 農家は自分の土地であっても農振法や農地法、都市計画法の規制を受け、農業目的以外自由に利用できない。また、担い手は高齢化し、後継者がいないとなれば、耕作放棄地が増え続けるのも当然のことだ。つまり、農地が余っていることの証左であり、頑なに守る必要があるのか。
 農業委員会改革、農協改革と政府の農業改革が一見大胆に進んでいるように見えるが、農家を守る本格的な農業改革の議論に至っていないのは誠に残念だ。
 農協改革は、単にTPP反対運動を主導する全国農業協同組合中央会いじめのように見えなくもない。この権限を縮小させたからといって、農家が豊かになるというものではないだろう。むしろ、将来の農業を政府・全中が一体になって前向きに議論すべきではないのか。
 いずれにしても、企業誘致の最大のポイントは農地法、農振法の壁を崩していくことにある。そうした意味で、農地転用の権限が国から都道府県に移譲されることの意味は大きい。転用の権限が委譲されても、転用の基準が変わらなければ何も変わらないといった意見もあるものの、画期的な第一歩を踏み出したと言えるのではないか。 
 最後に、経済局は農地を守る立場と、商工振興の立場で相反する政策を担当しているのは問題だ。どっちつかずの中途半端な立場を解消させるため、農地法の改正を機に、見直しをするべきではないだろうか。
 



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