市民協働のまちづくり
   岡山城西手櫓の景観保全運動始まる



   昨年末、市内中心部のシンフォニーホールの東向かい、禁酒会館隣のビルが撤去され、電車通りに岡山城西手櫓が石垣と共に見事な姿を現した。
 西手櫓は国の重要文化財だが、今まで旧内山下小学校の校庭から見る他はなかったので、市民の目に触れる機会はあまりなかった。この眠っていた岡山城下町の歴史遺産に光を当て、後世に残すことのできる絶好のチャンスが訪れたと言えよう。
 聞くところによれば、ビルの跡地は平面駐車場として利用されるとのことだが、いつまでもそうした利用が担保されるものではなかろう。
 そこで、この土地を買い取り景観を守ろうと、市内のNPO法人・公共交通ラクダが市民から寄付を募り西手櫓景観トラスト運動を開始した。
 私自身も、かねてよりこの重要文化財が人目につかないことが、勿体ないと思っていた。それにしても、外から石垣を含めての景観は校庭から見る景観とはまるで違う。本物の持つ風格に圧倒される見事さで感動すら覚える。
 そうしたことから、私自身このトラスト運動には敬意を表し、何らかの形で協力しようと思っている。
 市長は岡山市の歴史遺産にことのほか関心が高く、その遺産を活かしたまちづくりに取り組んでおられる。そうした施策を進める中で、中心市街地に突然と現れたこの遺産を活かさない手はない。
 ただ、この運動は始まったばかりで中身が十分に煮詰まっている訳ではない。「岡山市が直接購入すべき」との意見もあるが、今後のまちづくりを進める上で、こうしたトラスト運動をどのようにするのが良いのか十分検討しておかなければならない。
 この際、こうした歴史的に価値のある景観を遮っている建物は他にあるのか、現状をきちんと調査し、建築誘導など適切な指導を行うことができるようにしておくべきであろう。また、自分達のまちを良くしようと資金を集めたりする「市民協働のまちづくり」の精神を旨く絡めた買い取り制度をつくっておくことも必要ではないか。


高齢者が楽しめるスポーツ
  グラウンドゴルフ場の充実を



 今後、我が国は高齢化が更に進むことから、高齢者に対する施策を充実させていく必要がある。
 これまでどちらかというと、介護を必要とする高齢者に対する支援が中心だった。高齢者がいつまでも元気で活躍できる社会づくりは、極めて大切なことであり、こうした支援も必要なことである。
 そうした中、元気な高齢者が楽しんでいるスポーツがある。グラウンドゴルフである。昭和57年に鳥取県東伯郡泊村生涯スポーツ活動推進事業の一環として、泊村教育委員会が中心になり考案されたスポーツだ。
 高度な技術を必要とせず、しかも全力を出す場面と、集中力や調整力を発揮する場面がうまく組み合わされておりルールもごく簡単なことから、初心者でもすぐに取り組める。
 たちまちのうちに全国に普及し、全国規模の大会が開かれるまでになっている。と同時に、競技人口も増え続けている。また、老若男女が手軽に楽しめることから、地域の三世代交流の行事として開催されることも多い。
 本市においては、早くから貸し出し用の道具を取れ揃え、市民のニーズにいち早く応えてきた。そうしたこともあり、近年公園や河川敷等で楽しんでいる方をよく見かける。楽しめる場所がもっと欲しいとの要望や、大会の開ける芝生の本格的なグラウンドゴルフ場設置を望む声がある。「規模の小さい周辺の都市にあって政令市の岡山になぜないのか」とのご意見を頂く。
 健康寿命を延ばす「健幸ポイントプロジェクト」も始まった。元気な高齢者づくりのソフト事業だが、併せてハード面からの支援も重要である。是非とも、元気な高齢者の思いに応え、新たな場所づくり、また、本格的なグラウンドゴルフ場の設置について真摯に検討すべきである。




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