【寄稿】 「和氣 健さんと防災」
危機管理への対応に期待する                友人 平田幸治(岡山市中区福泊)


 友人の逢沢一郎・衆議院議員は「和氣さんはしっかりとした国家観を持った政治家である」と言う。このことは、和氣さんは地方政治家でありながら「世界の中の日本」が解って、そのうえで岡山市政をグローカルに考えることができる(グローバルに地球規模で考えてローカル・岡山市のことに取り組むことをする)岡山市議会議員であるということである。
 私は日頃は自分のブログ(Ameblo)で日米関係や安全保障問題を中心に論じているので、よく和氣さんに意見を聴くことがある。私は母校の慶應義塾大学で国際政治(故神谷不二教授研究会)を専攻したが、今も岡山で和氣さんと国際政治のゼミナールの議論をしているとも言えよう。
 先日の和氣さんとの「情報収集協議」は、北区いずみ町の「ジップアリーナ岡山」でバレーボールの岡山シーガルズの試合を観戦しながら、二人でコーヒーブラックの紙コップを手に議論した。和氣さんは高校・大学と日本中が「五郎丸」で熱くなったラグビーで活躍したラガーマンであり若者から高齢者までの各種健康スポーツにも詳しい。
 この日は私から提起したテーマは、松田喬和・毎日新聞社特別顧問の2015年10月21日付【記者の目】『関東・東北豪雨の教訓』がベースであった。テレビ画面の衝撃的映像が忘れられない豪雨の河川の氾濫である。私は和氣さんに「公共事業に投入する予算は?」「防災対策費の予算は?」と矢継ぎ早に聴いていった。前政権で「コンクリートから人へ」というスローガンがあったが、今日本の税財政はあまりにも厳しい。
 だが昔から現在に至るまで「治山治水」というのが地方自治にも経営の柱のテーマであることに変わりはない。むろん福祉政策における財源確保は、少子化、高齢者問題等におけるインフラ的整備体制をとらなければ、まさに「今そこにある危機」に直面しているということも二人の考え方でもある。
 ここで私が「防災」を問題としたのは、和氣さんが笹ヶ瀬川流域が台風等の大雨で水害の危険が高まった時にいつも、消防局・消防団と共に出動して地域の緊急巡回に走り回っていたからである。笹ヶ瀬川の堤防が決壊した場合には避難場所の小・中学校を含めた広域が浸水することになると、和氣さんは心配する。
 松田喬和・毎日新聞社特別顧問の記事にあるように「地球温暖化が進めば今世紀末には、洪水被害額は、20世紀末の3倍以上に達するとの、環境省研究チームの報告書が出ている。地域の特性に適合したソフト、ハード両面からの防災対策の確立が急がれる」と結びにある。
 加えて、岡山市も南海トラフ大地震の対策を考えることも急務である。この災害対策の警鐘は鳴らされている。岡山市にも大規模地震と津波の海面上昇で浸水する海抜の低い地域が多くある。
 和氣さんは広島工業大学で土木技術を修め岡山市に奉職後土木行政に関わってから長い。つまり「治山治水」にも詳しい。そして、大森雅夫・岡山市長は前職の国土交通省国土政策局長はもとより内閣府防災担当政策統括官として国の防災の事務方責任者を務めその実務を熟知した市長である。だから和氣さんの危機管理意識を持つ問題解決のアプローチ(接近)は、プロフェッショナルの大森市長にはよくわかるイシュー(焦点の問題)なのである。
 逢沢一郎・衆議院議員(危機管理都市推進議員連盟会長)主催の大規模危機管理作家の高嶋哲夫さんの首都直下型地震のリスク管理を描いた『首都崩壊』(幻冬舎、2014年刊)のセミナー以来、和氣さんと私は二人でリスク管理を論じあってきた。今後も予想される南海トラフ大地震そして台風やゲリラ豪雨等の洪水などの災害リスク管理についても引き続き二人で考えたい。
 和氣さんには国家レベルで高度な危機管理問題に取り組む逢沢一郎・衆議院議員、先述したプロフェッショナルとしての大森雅夫・岡山市長との対話を続けてほしい。そして、防災面においても「安心して安全に住める岡山市」の現実的達成のためにしっかり尽力していただきたいと考える次第です。
(ひらた こうじ)



岡山市消防操法訓練大会開催される
 消防団活動の充実強化を


 去る4月10日中区桑野の消防訓練センターで岡山市消防操法訓練大会が開催された。地区大会を勝ち抜いた分団が自分たちの名誉と誇りをかけて競技に臨んだ。
 昨年は、小型ポンプの部で都六区分団が岡山県代表として全国大会に出場し、見事全国優勝を成し遂げるという快挙があった。各分団とも岡山市の大会で立派な成績を上げれば全国に通用するのだとの思いもあり一層気合いの感じられる大会となった。
 地元、今分団は地区大会で抜群の成績で優勝し、市大会での活躍が期待されたが、4位までが出場できる県大会まであと一歩の5位という悔しい結果に終わった。
 寒い時期に仕事を終えた後、繰り返し練習に励んだ選手を始め、藤原分団長以下、団員一丸となりサポートした団結力は地域の誇りであり宝だ。敬意と感謝を捧げたい。
 そもそも消防団員は、公務員である消防署の消防士とは全く別の存在である。それぞれ職業を持つかたわら、災害時等に活動する特別職の地方公務員という立場だ。
 さて、東日本大震災の教訓を基に、平成25年12月「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が成立した。
 その中身は、今後の発生が懸念されるあらゆる災害・事故に対処し得る消防防災体制の整備をめざし、とりわけ消防団を地域防災力の中核として位置づけ、住民・各種団体が協力連携し、国・地方公共団体が必要な責務を果たすことを定めた画期的なものだ。消防団の一層の充実強化が図られることになったのである。
 現在、東海地震をはじめ東南海、南海地震や首都直下地震の発生などが懸念されるなかで、国民の安全を守ることはますます大きな課題になっている。地域防災の中核である消防団に対する期待は一層高まっている。
 ところが、消防団員数は、少子高齢化による若年層の減少、就業構造の変化、地域社会への帰属意識の希薄化等から減少が続いているのが実態だ。女性消防団員の募集や積極的な入団促進などの取り組みの成果から近年減少数は徐々に低下する傾向にあるが、楽観できるものではない。
 崇高な使命を担った消防団であるが、そうした誇りだけで活動の継続ができるものではない。具体的な支援、魅力ある取り組みを自治体が充実させていかなければならない。そして何よりも重要なのは、地域の理解と強力な支援なのである。




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