「舟ゆうさん」存続なる
地域住民の手で大修理
                    ベターライフ御南会長 澤井博(御南学区連合町内会長)


御南小学校の3年生が体験

 平成27年10月27日、前日までの予報と一変した秋晴れのもと、御南小学校の3年生140名が総合学習の時間に川舟で地域を巡る「舟ゆうさん」の体験のお手伝いをさせて頂いた。
 当日は、子供たちのみならず、担任の先生、國府島校長先生、そして取材に来られた山陽新聞の記者も「頑丈に修理された木舟5艘」に分乗し、児童の笑顔と歓声に包まれた30分間の水路巡りを楽しんだ。
 舟ゆうさんは、ひな祭りの時期に子ども達がおにぎりを食べながら水路巡りを楽しむ地域の伝統行事であったが、都市化の進展とともに途絶えていた。その後、平成12年に当時の御南小教頭だった野上和信さん(故人)の発案で復活した。

舟ゆうさん存続の危機

 平成14年からは、御南学区連合町内会傘下のボランティア団体ベターライフ御南が木舟の管理・運航を行ってきた。しかし、作られて50〜60年経過した舟は痛みが激しく、ここ数年は佐藤芳範(故人)、田村要、西村修一さんらが事前に舟底や舟腹の亀裂をシリコンやマキハダで埋める応急修理を繰り返していたが、平成26年の舟ゆうさんを最後に舟底からの浸水が激しくなり使えない状態になっていた。
 27年の存続が危ぶまれた中、御南小の校長先生、教頭先生、また、これまで中心となって舟ゆうさんをけん引して頂いた佐藤さんの遺志を引き継いだ横野良典さん(御南小地域コーディネーター)、近常強さん(ベターライフ御南親子土曜塾事業部長)達の舟ゆうさん存続への思いを受け、ベターライフ御南の事業として40万円の予算で木舟5艘の修理を行うことを決定し、9月5日から1ヶ月間の予定で「平成の大修理」に着手した。

蘇った木舟5艘

 修理に当たっては、横野さん(作業責任者)、近常さん(事務局)にまとめ役をお願いした。地域住民のボランティアで舟底と舟腹に塗られたコールタールを剥がし、その上を繊維強化プラスチック(FRP)で覆いペンキで塗装する作業は業者へ発注する手順で開始したが、舟の痛みは予想以上に激しく、舟底や舟首に開いた穴の修繕に大工さんの手が必要になる等、当初の想定を超える大作業となった。
 この大作業をボランティアで引き受けて下さったのは横野、近常、植田、中尾、田村、西村、貝原、笹井さん達、差し入れや記録写真を撮って頂いた御南小の國府島校長、地域協働学校運営協議会の宮木会長、田中野田町内会の和気茂会長の方々。桃太郎部品の岸本さん、備前高周波工業の安井さん、そして地域の多くの方々に木舟の運搬にご協力頂いた。
 このようにして存続した舟ゆうさんだが、27年度はベターライフ御南の活動拠点である白石幼稚園跡地の継続使用の許諾が得られず、和気議員に岡山市に掛け合って頂いたこともあり、地域が一体となって進めた舟ゆうさんの存続であった。ご協力いただいた皆様方に心からの感謝を申し上げます。




白石橋拡幅工事に向けスタート
 本年度は調査設計作業


 かねてから、地元のみならず、岡山・倉敷両市民からの切実な要望がある県道岡山・倉敷線、白石橋付近の交通渋滞の解消のため、白石橋の拡幅に向けて本格的に動き出した。
 昨年度、調査費1千万円を確保し、白石橋拡幅工事の概略設計を行い、河川協議を行ったところだ。今年度は、河川協議も整い、測量設計業務を行う。そして、できれば用地交渉に入りたいとの意向を示している。いよいよ具体的にスタートしたのだ。
 地元の熱い思いを込めた要望や、本会議でもこの問題を取り上げ議論させていただいたことなど、地道な活動が実った結果だと言える。
 なんと言っても、県南の岡山、倉敷市という二大都市を結ぶ重要な幹線道路である。通過交通の通勤者のみならず、当該地域の住民にとっても朝夕の通勤ラッシュ時に於ける交通渋滞の解消は喫緊の課題であり、解決に向けた動きに期待が高まる。
 県道妹尾・御津線久米交差点、白石橋間の拡幅を実現する上での最大の難所は、この白石橋の拡幅工事である。現在の交通に支障の無いよう行うのは簡単ではない。この難しい箇所から始めるということは、当局は相当の覚悟を持ってこの事業に踏み出したと受け止めていい。




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