【主張】 子育ての重要性を再認識すべし



児童養護施設の現状

 理事を務めさせていただいている児童養護施設・南野育成園で様々な行事があり、子供達と接する機会も多い。誕生会などでは、子供たちの可愛い唄や劇などの出し物を楽しませていただく。その後、みんなでご馳走を美味しくいただいたりする。
 私は特に何もしてあげることがないので、高く持ち上げてあげる。すると子供たちは思いのほか喜び、「私も、私も」と列ができる。こんなかわいい子供たちを事情があるにせよ、どうして必死で育てていこうとしないのかとの思いが頭をよぎる。
 児童養護施設はかつては親のいない子供たちの施設だったが、今はそうではない。実の父親かどうかは別にして両親のいる子が殆どだ。

母親の重要性

 離婚後、子育てが嫌になり育児放棄するケースや、再婚後、子供が邪魔になり、両親そろって虐待するということから施設に入ることが多い。しかも少子化にあって、こうした家庭の子供は増え続けている。
 彼らを預かり愛情をかけ接する職員の気持ちは生半可ではない。しかし、残念だが職員がどんなに頑張ろうとも母親以上の存在にはなれないし、どんな母親であっても、その子にとって母親以上の存在は他にいないのだ。
 その母親から受けた虐待に対する心の傷は大きく、素直に成長を遂げることは極めて難しい。こうした子供たちは、親に恨みを持つことはあっても感謝することはできないし、ましてや親孝行しようなどとは思わない。親子関係は分断されてしまう。

親子間の断絶化を防げ

 このような現状に接していると、一般家庭も似たようなことになりつつあると言える。つまり、子育ては両親が一生懸命に取り組まなければならない重要かつ、尊い仕事だということが語られなくなり、実践されなくなりつつあるのではないか。
 苦労の中に成長の喜びがあり、親子間の絆を強くさせる。逆に手を抜けば抜くほど親子関係の断絶につながる。子供からすれば、親の苦労を見て感謝の気持ちがわき、老後の面倒を見ようという気にもなる。さもなければ、子供に自分の面倒を見てもらおうなどと考えていないということで、親子間の断絶が深まってしまう。
 いずれにしても施設に頼らなければならない子供たちを増やさないよう、子育ての重要性を再認識し、子育て環境を整えることが重要である。





笹ヶ瀬川レッツクリーン作戦
 ふるさとの川美化活動


 近年、都市化の進行とともに、かつての農村地帯であった御南中学校区も水田が消え、自然を感じさせる場所もなくなりつつある。そんな中で、御南中学校そばを流れる笹ヶ瀬川河川敷は、自然豊かな風情を残す場所であり思い出の空間である。
 この場所を再び「故郷の川」として、また「地域の宝」として美しく蘇らせるため、御南中の生徒とともに、「笹ヶ瀬川レッツクリーン作戦」と銘打った美化運動に取り組んでいる。そしてこの会の会長という重大な役を仰せつかっている。
 学校関係団体、地元町内会、岡山ブルーライオンズクラブなどの協力を頂き、春夏年2回の活動を行っているが、今年の夏は8月19日(土)に開催させて頂いた。暑い日であったが、生徒達は汗を流しながらも、地域に感謝する気持ちや、自分たちの学校を愛する思いを込めて、真剣に取り組んでくれた。
 清掃活動は、単にごみ拾いという肉体作業ではなく、自分磨きでもある。仲間と感謝の気持ちを込めて取り組むことで、多くの達成感が得られ、自然に笑顔が生まれてくるものだ。
 地域コミュニティの中心は学校である。地域の大人たちが、生徒達とともに美化運動で汗をかくということが極めて重要な意味を持っている。学校と地域のより緊密な関係の構築のためにも、今後ともご理解とご協力をお願いします。



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