御南中創立70周年の式典開催
  アカペラグループ「クリアランス」を招く


 平成29年11月11日、岡山市立御南中学校創立70周年記念式典が同窓会の主催で開催された。
 戦後の学制改革の特色の一つは、中等教育の整理と義務教育の年限延長であった。昭和22年に「学校教育法」が制定され、新たに三年課程の新制中学校が発足し、小学校六年に続いて義務制とされたため、ここに六・三制の義務教育制度が確立されることとなった。
 したがって、公立中学校のほとんどが70周年の節目を迎えたことになるが、同窓会がなければ式典の開催は難しい。幸いにして、わが御南中学校には早くから同窓会組織が作られていた。先人達の慧眼に敬意を表したい。


  御南中学校の生い立ち

 そもそも、御南中学校の生い立ちは御津郡南部の四ヵ村、即ち、白石、大野、今、芳田村が組合立でスタートさせたものだ。当時は、見渡す限りの田園地帯で目立つような建物は皆無。笹ヶ瀬川沿いの広大な敷地にポツンと校舎が建てられた。
 組合立ということもあり、中学校に対する地元の期待は高く、協力を惜しむことがなかった。例えば、グラウンドの整備にあたっても大勢の人が汗を流した。このように、自分たちの学校であるという強い意識から御南中学校の歴史は始まった。
 だが、時代とともに中学校区は大きく様変わりし、かつての「い草」の盛んな農業地帯は区画整理され、今や岡山市内でも有数の人口増加の著しい地域となり、当時の様子を知る人も少なくなりつつある。また、創立当時の御南中に対する深い愛着も薄れ掛けている。
 同窓会として、これまでも節目の年に記念植樹や施設整備などの事業を行い母校への支援を行ってきたが、広く伝わることはなかった。今一度、御南中愛を次世代に繋げていくことを真剣に考えようとのことで、今回の70周年記念事業に取り組むことになり、私も役員に加えていただいた。


  意義深かったディスカッション

 植田学校長を始め、現職の教員のご支援をいただきながら、計画を練り上げた。式典は、御南中学校の昔と今を大いに語ろうと「今昔物語」と題してのパネルディスカッションから始まった。
 林克也・同窓会会長、穴竃学・西小学校PTA会長、そして、コーディネーターを務めたのが植田学校長。林会長は第2期の卒業生で同窓会設立時からの会長。開校当時の様子をうかがい知ることのできる写真を持参され、御南中愛にあふれた地元の思いを熱く語られた。
 また、穴竃氏は御南中学校が芳田中学校と分離する前、36期の卒業生。マンモス状態の学校生活を、ユーモアを交えて懐かしく語って頂いた。特に、水泳大会のすさまじい様子の写真は印象的だった。
 その後、"ようこそ先輩"ということで、アカペラグループ「クリアランス」の歌声を楽しんだ。「クリアランス」は関西を拠点として活躍している5人のグループ。リーダーの國代哲さんは、42期の卒業生、声だけで様々な楽器の音を作り上げる見事なハーモニーに魅了された。今後大いなる飛躍を期待したい。また、現役の吹奏楽部の演奏が式典に花を添えてくれた。
 最後になりましたが、記念品として、プロゼクター3台とマグネットスクリーン9枚を寄贈させていただいた。十分活用して学習効果を発揮させて頂きたい。


  歌碑の寄贈・除幕

 この式典に合わせて校歌を刻んだ歌碑の寄贈があり、除幕式を行った。
 寄贈者は、中仙道の出身で、アメリカ合衆国カリフォルニア州在住の小野田正之さん。御南中には一年少々しか通っていないので卒業生ではないが、母校に対する愛着が強く、恩返しがしたいとのことからだった。岡山在住の13期卒の同窓生が全面的に協力し実現した。
 なお、揮毫したのは岡山県書道連盟顧問の浅沼翡舟氏。彼の妻がこれまた同窓生という縁からだ。
 小野田さん自身が、はるばる除幕式に合わせ来校されたが、それに合わせ小野田さんの同期生である13期卒の皆さんも集った。
 掲揚台の隣、開校時からあったと言われるソテツを背景にしたこの歌碑は、記念写真の撮影スポットになった。


  今後の同窓会のあり方

 今、教育が大きな曲がり角にある。不登校・いじめなど深刻な問題を抱える。
 使い古した言葉かも知れないが、学校・地域・家庭が連携することで教育が実り多いものになることを再認識すべきである。御南中学校区において地域協働学校の取り組みがなされているように、特に地域の関与が欠かせない。
 良い地域の指標は何かと言うと、間違いなく、地域の学校が落ち着いて学べる環境にあるかどうかである。その重要な役割の一端を、同窓会も担っていかなければならない。
 最後になりましたが、80・90周年と節目にはまた記念行事を行うことになります。今後ともご協力を賜りますようお願い致します。




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