操車場跡地 「健康・医療・福祉系区域」
        複合商業施設の整備に決まる



操車場跡地の歴史


 この度、操車場跡地の整備計画を進める中、西側部分、約3万m2の健康・医療・福祉系施設導入区域のプロポーザル事業が大和リースの案に決まった。
 定期借地方式で行うその概要は、食品スーパー・各種専門店・飲食店・医療モール・フィットネス他、集合住宅を整備するもので、来年3月オープンの予定。
 平成17年北長瀬駅が開業、平成27年には市民病院が新築・移転し、この地域が確実に発展している。加えて、賑わいをもたらすこの度の計画に期待しているとこだが、操車場跡地の歴史を整理してみたい。


チボリ公園誘致


 昭和64年に岡山市が市制施行百周年を記念して、デンマークのチボリ公園を誘致する構想を発表し、国鉄清算事業団から用地を買収することを決めた松本市長の時代に遡る。
 誘致を進めるものの、県知事や財界が主導しているのではないかという疑念が生じ、双方に大きな溝ができ、不信感を募らせたまま、平成3年にチボリ公園の計画は白紙になる。その後、倉敷カネボウ跡地に変更になる。


サッカースタジアム整備


 平成3年の市長選で「チボリ公園計画凍結」を訴えて当選した安宅敬祐氏が掲げたのが、3万人収容のサッカー専用スタジアムの整備構想であった。
 Jリーグが発足した翌年の平成6年、懸念する声もある中、設計コンペを行い、いよいよ基本計画策定や基本設計へ移ろうという段階でこのスタジアム計画は中断してしまう。
 130〜140億円程度にのぼるとされた建設費とJリーグブームの先行きが懸念されたことが主な理由であったが、川崎製鉄水島サッカー部が神戸へ移転してしまったことも影響した。
 その後、多額の用地買収費を投じた岡山市としては、何とか跡地の有効活用を図らなければとの思いから、カヌー公園構想などを打ち出すが、賛同を得られることはなかった。


岡山ドームとエックススポーツ


 平成11年の次の市長選に「岡山を動かそう」のキャッチフレーズを掲げ当選したのが萩原誠司氏。未活用だった跡地のプロポーザルを行い、規模の小さなドームの建設とエックススポーツ施設の案を選ぶ。
 ドームの利用率は高かったが、エックススポーツの施設の運営は厳しく、赤字を持ちこたえる財政力がなく、閉鎖せざるを得ないと判断したのが、その後を受けた高谷市長。
 現在は、競技人口も増え人気スポーツに成長し、さらにはオリンピック種目にも採用される。そうした現状を見れば、もう少し様子を見ることができなかったのかと思う。


迷走を続けた操車場跡地


 常に市長選の度に争点になり、さまよい続けた操車場跡地だが、総合公園としての計画が固まり最終ステージを迎えた。
 振り返って見れば、チボリ公園構想は根本的に誤っていたのか、倉敷市ではうまくいかなかったがもしかしたら岡山チボリ公園は成功していたのでは、と思わなくもない。
 また、ここまでのサッカーブームが訪れることなど当時は想像することができなかった。ファジアーノ岡山がこれだけ地域に根付き、市民が大いに盛り上がっているのならサッカースタジアムの建設も間違った選択ではなかったと思えるが、あくまでも結果論に過ぎない。政治家として、時代を読み解く力と決断力がいかに大切なことか、多くの教訓を残した。
 また、構想が迷走し長引いたことで土地買収にかかる巨額の利子負担が岡山市の財政を圧迫し、市民負担となったことも忘れてはならない。




G20保健大臣会合
   岡山市での開催が決定



 来年6月28、29日に大阪市において、日本で初めてのG20首脳会合が開催される。それに伴い分野ごとの大臣会合が各地で開催されることとなった。
 開催を希望する都市が多数ある中から、保健大臣会合が岡山市で開催されることが決定した。岡山市の強みである医療や健康に繋がる国際会議が誘致できたことを非常にうれしく思っている。
 実は、私自身もこの会合の誘致に貢献できたのではないかと自負している。即ち、誘致活動として逢沢代議士をトップに、岡山県の自民党の国会議員と当該の岡山市議会議員とで首相官邸に陳情に行き、安倍首相に強くアピールをさせて頂いた。
 その際、首相から「岡山市議会からも来られたのですか」と声を掛けて頂いたので、直ちに前に進み出てご挨拶させて頂き、写真を撮らせて頂いた。こうした和やかな雰囲気から、「これはうまく行くな」と確信めいたものを感じていたが、その後、正式に決まり感慨深いものがある。
 岡山の魅力を世界各国に向けて情報を発信できる絶好の機会である。岡山市を挙げて、関係機関と一丸となり、G20保健大臣会合を大成功させるため全力を尽くさなければならない。





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