任期最後の2月定例会は、31年度の予算案などを審議する極めて重要な議会である。また、この議会が15日に閉幕となる。終ればすぐに統一地方選挙に突入するというこの上なく慌ただしい時期にある。
 3月5日に個人質問に登壇させていただき、「岡山市の街づくりのにとって重要なことは何か」と「岡山西バイパスに接した元岡山県総合福祉センターの広大な跡地の有効活用」の2点について質問させていただいた。





  大阪の沈滞理由

 東京一極集中が止まらない。比較の対象、ライバルになるのは関西圏、大阪なのだろうが、比べればその差は歴然としている。単に、東京に霞が関があるという事だけではない。全国から、あるいは海外から人々が集まれる交通インフラが全然違うのだ。
 例えば、新幹線を見ても明らかだ。大阪の中心である梅田を避けた位置にある新大阪駅は明らかにワントリップ無駄であり、間違いだったのではないか。
 他方、東京はと言えば、上野駅始発で十分と思われる東北新幹線を東京駅につないだ。さらに言えば、JRも私鉄も同じ駅に乗り入れることを当たり前のように進める。私鉄同士が牽制し合い相互乗り入れをしようとしない関西圏とは大違いだ。
 また、国際都市として外国との玄関口といわれる空港の利便性は極めて重要であるが、関西国際空港の立地場所についても、本来なら神戸沖に作るべきところがまとまらず泉州沖になったと聞く。その後に神戸空港が作られるというちぐはぐなことをしてたのでは東京に対抗できるわけがない。
 他方、東京はと言えば、成田があるにもかかわらず、より高い利便性を求め羽田空港の拡充再整備を行い、さらに人々の集まりやすい仕組みを作っている。


  「地方最強都市」福岡

 政令市においても人口減に見舞われる時代に突入した。その中で、地方最強都市といわれ人口を伸ばしているのが福岡市である。先般、福岡市を視察する機会を得て勉強させていただいた。また、「福岡市が地方最強都市になった理由」という本も読ませて頂いた。
 他都市の真似をする必要はないし、うらやむ必要はないが、福岡はこれからも当分地方最強都市であり続けることの仕組みが備わっていおり、世界的な会議やイベントの開催が続くと思われる。
 中でも大きいのが、福岡空港が街の中心部にあり、地下鉄で結ばれているという抜群のアクセスの良さを持つ点だ。その面では羽田を上回る。更には、海の玄関である福岡港も中心部に近く、多くの人々を一気に受け入れる仕組みがあるのも大きな強みだ。


  重要な空港の利便性

 ことほど左様に最強都市になるためには、利便性の高い交通システムの存在があるかどうかだ。特に大きいのが空港の利便性だ。世界のVIP達は忙しく、10分、20分の時間の無駄を嫌う。従って、関空に頼る関西経済圏は不利であり、たとえ大阪都構想が成功しようとも大阪がこれから東京と肩を並べる都市になることはないだろう。
 また、中国地方の雄都である広島市も同様の間違いを犯した。広島空港を市街地中心部からあまりにも遠い場所に作ってしまったことである。加えていうならば、広島大学を東広島市に移したことなど決定的な失政を2つも犯した。いくらカープが優勝を重ねようが、有力な大学の去った都市がこれ以上飛躍することは望めない。


  岡山市の成長の鍵

 さて、岡山はどうすべきなのか。現在専用バスで30分と決して時間がかかっているわけではないが、岡山空港へのアクセス向上に更に力を入れるべきだ。そして、自家用車頼みの空港から、公共交通主体に転換しなければならない。ゆくゆくは、軌道系のものを視野に置いた街づくりを進めるべきだ。
 もう一つは、瀬戸内観光の拠点として京橋に船着き場を設けることになった。福岡港とは性格はまるで違うが、市街地の中心部に港があることは極めて便利なことである。
 現在、瀬戸内国際芸術祭等で国内外から脚光を浴びている瀬戸内海は、これからの岡山の観光資源として大いに伸ばせるものであり、伸ばしていかなければならない。
 かつて備前岡山の主要港として発展し、海運・海上交通の要所として栄えた京橋港である。そして今度は、京橋から瀬戸内海への新たなクルーズが始まる。瀬戸内海への玄関口として大きな夢が膨らむ。本市としてもできる協力を惜しむべきではない。





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