令和4年度予算から


 令和4年2月定例会は、令和4年度の予算案(総額6,263億円、前年度比2.1%増)をはじめとし、次年度事業を審査する極めて重要な議会であったが、3月15日無事閉会した。
 今議会は新型コロナウイルスオミクロン株の感染拡大に伴う質問日程の変更を行い、各会派の代表質問を一日一会派にするなど、大幅に時間を短縮すると共に、感染対策にも万全を尽くし実施した。とはいえ、新年度の予算を審議する2月定例会は最も大切な議会であり簡単に済ませる訳にはならない。調整は悩ましいものであったが、何とかまとまることができた。結果として効率よくスムースに行うことができた。



 主な議論

 主な議論としては、路面電車の駅前広場への乗り入れに要する経費増に関するものであった。当局の確認不足から生じた補償費の算定の誤りにより、費用が増大することとなった。「事業効果そのものが根本から崩れる。立ち止まり見直すべきではないか」また、「長い時間をかけ議論し結論を出したものだ。粛々と進めるべき」など相反する意見が出されたが、当初の計画工事費の枠を変えず、完成を伸ばし、状況を見ながら進めるとの答弁であった。
 また、岡山城周辺の多くの建物が立て替えにより移転することになっている。岡山の顔となる場所であり、広域的な視点から市民・地元関係者の意見を聞きながら進めたいとの答弁であった。



 観光施策の推進

 近年、岡山芸術創造劇場(市民会館の建て替え)、市役所新庁舎等の大型事業の執行の陰で目立たないが、岡山城天守閣等の大規模改修事業を始め、観光振興施策が積極的に行われている。令和4年度は更に新規事業が加わり、予算も大幅に増額された。
 岡山城関連事業以外では、文化財と観光の融合による新たな魅力アップ事業として、国指定史跡の遺構を復元し、史跡を訪れた市民や観光客がその文化的価値を享受できる環境を整備しようとするもの、また、瀬戸内エリアへの観光誘客の推進事業として、瀬戸内国際芸術祭を生かし地域の活性化を図ろうとするものなどがある。



 吉備路観光

 古代「吉備」と呼ばれた岡山には、日本4番目の大きさを誇る造山古墳があり、吉備王国の勢力の大きさを感じることができる。
 また、吉備津彦命が温羅と呼ばれた鬼を退治する伝説の舞台であったところであり、温羅の居城とされる鬼ノ城と呼ばれる古代山城をはじめ、桃太郎伝説、温羅物語に基づく場所が存在し、そこを訪れることで当時の雰囲気を感じ取ることができる。吉備路の魅力はロマンに彩られており、歴史フアンにはたまらない。こんなロマン溢れる物語が繰り広げられた場所は全国どこにでもあるわけではない。
 この吉備路を売り出し、観光客を呼び込むことは以前から議会でも取り上げていたが、なかなか前に進まなかった。吉備路観光が岡山市域のみで成り立っているのではなく、総社市との連携が必要ということがネックになっていたが、その壁を乗り越えて事業化となった。
 同じように、長く手をつけられることのなかった備中高松城の跡地整備が始まる。戦国時代、織田信長の天下統一を目指すストーリーは極めて興味深くドラマチックだ。中でも中国地方の覇権をめぐる戦いのクライマックスが、秀吉の軍師・黒田官兵衛による備中高松城の水攻めであろう。



 高松城址整備

 ここを訪れる歴史愛好家の、「もう少し満足感が得られるように整えても良いのではないか」と言う声は多く聞かれていた。こうしたところから、老朽化した桜を植え替えると共に、水攻めの歴史的なシーンをリアルに映像化し、鑑賞できる資料館を整備することとなった。地元の活性化にうまく結びつけられるよう、知恵と工夫が求められる。




G7閣僚会合を誘致へ
 超党派で推進する議連結成


 岡山市は、令和5年に日本で開催予定のG7サミットに伴う関係閣僚会合の誘致を目指すことを発表した。
 市議会としても全力で誘致活動に取り組んでいこうと、超党派で誘致を目指す市議会議員の会を立ち上げた。狙いは、交通大臣会合の誘致で、「開催により地方公共交通への問題意識を高め、新しい交通の枠組みを考えるきっかけにしたい」としている。ただ、他にも20都市が名乗りを上げ、熱心に取り組んでおりハードルは高いが、なんとか実現できるよう盛り上げて参りたい。
 国際会議を開催するなどというのは夢のような話で、かつて考えも及ばなかった。これも政令市になり、都市の格が上がったこと、ふさわしい広域アクセス性、コンベンション施設等のインフラ整備が整ったことによるものである。
 令和元年には、G20の保健大臣会合が開かれ、本市のおもてなしが国内外から高い評価を得られた実績もある。この誘致に自信を持って臨みたい。成功すれば経済効果も期待できる。市民の招致機運を盛り上げ成功につなげたい。



                           市政報告45号-2へ
inserted by FC2 system