町内会問題を考える



 地域協働の担い手

 今議会で多くの議員が質問に取り上げたのが、町内会のあり方だった。任意の住民自治組織として、祭りなど様々な伝統的な地域イベントで住民コミュニティの醸成を図っている役割だけではなく、ゴミの分別・収集、防災、防犯・児童の見守りなど、地域協働の担い手である。住民にとっても役所にとってもなくてはならない重要な役割を担っている。しっかりとした支援をすべきものという立場からであり、当然のことだ。
 「市民のひろば」など広報誌、広報連絡など幅広く貢献していただいており、その存在なくして岡山市政は成り立たないと言っても過言ではない。





 町内会存続の危機

 しかしながら、昨年の町内会についてのアンケート調査の結果を見ると、「役員の高齢化」「役員のなり手がいない」という事態が起きている。この深刻な状況を真摯に受け止めなくてはならない。このまま放置すれば、いずれ消滅してしまう町内会も出てこようというものだ。
 いずれにしても、新たな仕組みづくりに本気で取り組むべき時期に差し掛かっていると言えよう。





 ゴミステーション問題

 町内会運営で最も悩ましいのは「ゴミ」に関するものだ。例えば、ゴミステーションの設置に対し、市は補助金を支出するものの、設置するのは町内会である。いわゆる”迷惑施設”だけに、設置場所の選定は難しい。概ね、道路あるいは水路の余剰個所ということになる。それぞれの管理者に対し許可を申請することになるが、その際には周辺住民の同意が必要になる。
 さらに、収集ルート上の適切な位置に変更するようにと指導が入ることもある。このような煩雑な手続きは、とても素人が簡単にこなせるものではない。自らの利益のためではなく、ゴミ収集の目的であるだけに、不合理感は否めない。





 積極的支援の必要性

 ゴミステーションの設置ができず、多額の経費をかけ個別収集を行っている自治体もあると聞く。そうならないためにも、申請手続きくらいは積極的に支援すべきと思える。
 また、ゴミステーションの利用についても町内会には様々な問題が横たわる。「町内会に加入していない人が利用するのはおかしい」といった声が会員から起きる一方、「ゴミステーションを使えないのはおかしいのではないか」と市の担当部署に苦情が入る。
 さらに言うと、「ゴミ当番をしないのにゴミステーションを使うのはおかしだろう」という意見が内部から起きる。町内会費でゴミステーションの設置費用をまかない、ゴミ当番の役割をみんなでこなしていくことにより、ゴミ収集が成立しているのである。町内会に属していない人がゴミステーションを自由に利用できることになれば、会員から不満が起き、町内会に入る意味は薄れてしまう。
 ゴミ問題は一例だが、このように町内会は市の行政の末端事業を支えている。問題は数多くあるが、これといった解決策があるわけではなく困っているのが実態だ。このことをしっかりと認識すれば、町内会に対する全面支援、また住民啓発に力を入れる必要があるのではないかと思えてならない。






白石橋拡幅工事 進行状況
 令和4年度は右岸側の橋脚工事に着手



 県道・岡山倉敷線、久米の白石橋付近は県内でも有数の渋滞箇所であり、その解消は長年の課題である。
 白石橋以東においては、上下2車線がすでに整っているが、西へ拡幅していく上で、白石橋の拡幅が大きな課題であった。河川協議が難航することが明らかであったからである。 しかし、現在もそうだが、昔から旧国道2号として重要な役割を担っており、そのことは今もなおいささかも変わっていない。
 長年にわたり、地元住民及び関係事業者はひどい渋滞に悩まされ続け、拡幅に対する強い要望を持ち続けていた。そして、それが実を結び、総額90億円の事業化に至った。 平成2年度から工事に着手するものの、東日本大震災の復旧工事の影響から材料が手に入らないといったこともあり、一時中断することになったが、平成3年度ようやく動き出した。
 令和4年度は右岸側(久米側)の橋脚工事に着手することになる。工事中は様々な不便や迷惑があるかと思われるが、早期完成を望み協力をお願いしたい。完成は令和6年度を目指している。 引き続き、県道・妹尾御津線久米交差点までの拡幅を要望することが求められるのは言うまでもない。






今保ポンプ場本格工事始まる
 地域を守る安全の切り札



 平成30年の豪雨災害では、笹ヶ瀬川以西の北区久米・今保地区にも甚大な被害をもたらした。約千棟もの家屋が床上・床下浸水するなどかつてない大きな被害を受け、多くの住民がポンプ場設置を求める活動を展開した。
 近年の異常気象は度々こうした豪雨災害をもたらしている。及ばずながら、地域を守る立場から、事業化に向け地域の皆様方とともに取り組ませていただいた。その結果、今保ポンプ場設置の事業化(総額28.5億円)が正式に決定され、令和3年5月に着工し、工事は順調に進んでいるところだ。令和4年度はポンプ場の本体工事に取り掛かる。供用開始は令和5年の出水期前の予定である。
 この一連の成果は皆様方の熱意のたまものであり敬意を表したい。完成すれば、相当の豪雨にも耐えうる能力を備えたポンプ場になるので、安心できるのではないかと思うが、あくまでも適切な管理・運営があってのことである。地元にその運営や管理の一部が委ねられることになると思う。その役割を果たしていくことが求められるのは言うまでもない。






「ロシアのウクライナ侵攻を非難」
  全会一致で可決



 2月24日、ロシアはウクライナへの侵攻を開始した。このロシアの行動は、武力行使を禁ずる国際法、そして国連憲章の深刻かつ重大な違反であります。
 岡山市議会においても、このロシアのウクライナ侵攻を非難する決議を全会一致で可決し、抗議の意思を表明したところです。あわせて、政府に申し入れを行ったところです。県下で最初の決議となったことは、我が市議会の見識によるものです。ロシアに対し、即時に攻撃を停止することを求め、一日も早くウクライナが平和な生活を取り戻すことを祈るばかりです。
 また、国内に目を向けてみますと、新型コロナウイルスの感染状況は、蔓延防止等重点措置が3月6日に解除されたとはいえ、本市における感染者数は依然として高い水準で推移しており、市民生活の閉塞感が打破されていないのが現状です。
 市議会としても、これまで以上に市民の多様な意見に真摯に向き合い、市政に反映されるよう努めていかなければなりません。すべての地域とすべての世代が「住みよい岡山」「住んでよかった岡山」を実感できるよう全力を尽くして参る所存です。






                           市政報告45号-1へ
inserted by FC2 system